The symposium about river engineering, 2022

運河決壊による洪水流による鉄道被害

著者

椿 涼太1,國立 翔愛2,Soroosh Sharifi3

1.名古屋大学大学院 准教授 工学研究科,2.名古屋大学大学院 工学研究科,3.University of Birmingham

説明資料

コメント (3)
  1. 原田 大輔 (土木研究所) より:

    土木研究所の原田です。興味深く拝見しました。質問をさせてください。

    ・運河から流出する水の総量の算出方法について、p.5に書かれてはいるのですが、流出時間などどのように設定されたのか、少し詳しく教えていただけないでしょうか。

    ・運河も鉄道も、建設以降200年ほど被害はなかったようですが、今回の雨量が観測史上最大だったのでしょうか。それとも、維持管理に課題があるとお考えでしょうか。

    1. 椿 涼太 より:

      原田様
      上記コメントありがとうございます。

      流量について、総流量、破堤後の破堤幅、継続時間の情報がありました。これを踏まえて、破堤幅の拡大時間を調整しました。拡大が早いと、継続時間が確保できず、拡大が遅いと継続時間が実態より伸びます。間接的な推定ですが、上記の条件を満たすハイドログラフですので、(前提としている情報が正しければ)妥当性は確保できていると考えています。

      被災を起こした降雨イベントの再現期間は100~250年程度のようです。最大規模といってよいと思います(特に局所的に降ったようです)。維持管理については、技術者のレポートでは、しっかりチェックはしていたし、災害時の対応策も事前に検討していたから、すばやく締め切られたと説明されていました(これがないと、流出流量はもっと大きくなった)。ただ、おそらく堤体内部の情報などはもっていないと思います。一方、今回は越流破堤で、後から考えると、越流箇所の目途はつけることができたといえるかもしれません。でも、被災前に低い部分の対応策をとることを合理化できたかどうかはよくわかりません。今回の報告が、同様のリスクを抱えるが被災事例のない箇所への事前対策の一助になればと思ったことも、発表の動機です。(でも起きていない災害のリスクに気づくというのは難しいとも感じます)

      1. 原田 大輔 (土木研究所) より:

        ご回答ありがとうございます、良く理解できましあt。
        被災時にすばやく締め切られたとのことで、災害時の対応がしっかりされていると感じました。そうでなければ、運河の破堤後も延々と水が供給されるのでは?と思い、質問した次第です。ありがとうございました。