衛星・空撮画像を活用した令和2年7月球磨川豪雨による人吉市の被害建物の分析 2025年6月16日 最終更新日時 : 2025年6月16日 中太 大智 著者 著者氏名/所属 説明資料 著者 中太大智/東京都立大学 梶原慧一/東京都立大学 小槻拓登/東京都立大学 今村能之/東京都立大学 説明資料 河川技術論文集2025発表会スライド_東京都立大学_中太ダウンロード
取り壊しされたものと流失した建物を丁寧に分類されて,確実な評価を行っておられて素晴らしいと思いながら拝見しました.
様々な研究チームが三次元流動構造を指摘している洪水イベントですが,Nays2D Floodを適用される合理性についてはどのように考えておられるでしょうか?
また,10mメッシュとのことですが,建物抵抗に作用する流速と水深,建物の抗力をどのように評価されているのか教えて頂けますと幸いです.
東京都立大学の中太です。ご質問いただきありがとうございます。
Nay2D Floodは河道と氾濫原の地形を一体にして氾濫計算が可能です。そのため、与えた流入量が不連続にならずに氾濫水の広がりを再現できる点において、合理性が高いと考えています。球磨川沿いの人吉市の被害建物は10km程度と広範囲に位置していたことから、3次元の詳細な流体の変化を見る前の段階として、建物倒壊等限界のグラフで全壊建物が受けた最大浸水深、最大流速の関係を検証したいと思い、2次元平面の考察に留めてこのような整理としました。
また建物の抵抗については考慮しておらず、詳細な検証では考慮すべき課題と認識しております。
回答ありがとうございます.
複断面蛇行流れが形成されることで,河道内の主流路の変化とそれに伴う堤内地への運動量輸送が変化し,堤内地の流速分布構造も変化します.このため,是非,三次元流動を考慮可能なモデルを使用いただけるとより精緻な議論になるのではと考えます.
建物抵抗は建物接近流速を論じる上ではとても重要だと思います.建物のスケールに類似する10mメッシュにどのように合理的に抵抗を組み入れるかは大きな技術的課題なので,是非ご検討いただけますと幸いです.