橋脚底部の洗掘に及ぼすフーチングの影響に関する基礎的実験

著者

  • 渡邊康玄/北見工業大学 社会環境系
  • 北川晶登/りんかい日産建設株式会社
  • 白井秀和/北見工業大学 社会環境系

説明資料

橋脚底部の洗掘に及ぼすフーチングの影響に関する基礎的実験” に対して5件のコメントがあります。

  1. 柏田 仁 より:

    洗掘形状がかなりシャープなものがありますが,安息角と比較するとどのような勾配でしょうか?また,時々刻々の洗掘形状の計測結果が示されていますが,これは通水を一時止めた状態での計測でしょうか?
    フーチングの前出しによって,馬蹄形渦の形状が変わり,洗掘位置が上流側に遷移することは理解しておりましたが,「出幅」の拡大に伴って馬蹄形渦のスケールが制限されて洗掘深が小さくなるものだと認識していました.流速分布等について何か示唆はあるでしょうか?

    1. 白井 秀和 より:

      ご質問ありがとうございます.ご指摘のとおり,出幅があるものについては,洗掘形状が36°程度と水中安息角よりも大きい状態となっておりますが,今回の実験は通水中に計測していますので,動的な平衡状態での洗掘形状となります.流れがある状態のため,このようなシャープな形状になったものと思われます.

      洗掘形状から,出幅がないことで底部に潜り込む流れが大きくなっていることが示唆されました.一方で,出幅が大きくなると,その流れが制限され,上流部に流れが集中した可能性は考えられますが,今回,流速分布を計測しておりませんので,今後,数値シミュレーション等も含めて検証したいと考えております.

  2. 名尾 耕司 より:

    ご発表ありがとうございました。
    橋脚周りとフーチング下面における特徴的な洗掘状況を示されており、
    大変勉強になりました。
    1点教えてください。
    論文の図-9では、洗掘深は小さいものの、
    フーチング下面の洗掘範囲が縦断距離4㎝を超えており、
    ちょうどフーチングの中心位置を超えているように見受けられます。
    ここまで洗掘が進むと橋脚の沈下等変位が発生する可能性もあるのではと考えたのですが、
    予備実験も含めて実験のなかで橋脚模型の安定状況はいかがだったでしょうか?

    1. 白井 秀和 より:

      ご質問ありがとうございます.
      フーチングの出幅が0cmのケースにおいては,30分経過後に倒壊が発生し,実験を終了しております.そのため,他の実験ケース(フーチングの出幅があるもの)については,倒壊はしていないが,洗掘の進行状況を比較するために30分経過時に実験を終了させています.また,橋脚の変位は計測しておりませんので,その安定状況を正確に回答することはできませんが,特に,フーチングの出幅が0cmのケースにおいては,倒壊する前の洗掘の過程においても沈下により橋脚が傾いている状況になっていたことは確認しております.
      十分な回答になっていないかと思いますが,今後も引き続き,実験等で橋脚の安定性も含めた検証は行いたいと思いますので,何かしらの成果が得られましたら,別の機会に報告させていただきたいと思います.コメントいただきありがとうございました.

      1. 名尾 耕司 より:

        白井様

        状況、よくわかりました。
        回答いただき、ありがとうございました。

        三井共同建設コンサルタント(株) 名尾耕司

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