The symposium about river engineering, 2022

ADCPを用いた回遊性カジカ属稚魚の遡上時利用環境の評価

著者

菅野 一輝1,篠原 隆佑1,村岡 敬子1,溝口 裕太1,北川 哲郎2,中村 圭吾1

1.国立研究開発法人土木研究所 流域水環境研究グループ,2.株式会社建設環境研究所

説明資料

コメント (4)
  1. 信田 智 より:

    物理環境の計測・解析結果を基に精度の保たれたポテンシャルマップとして可視化できていて、信頼できるものだと思いました。計測の効率性を上げるためには、地形からvBOTを推測して地形モデルの精度向上を図るアプローチがあっても良いように感じましたが、そのような事は可能でしょうか。

    1. 菅野 一輝 より:

      コメントありがとうございます。
      地形から流速を計算するアプローチは、瀬渕スケールくらいまでは可能ですが(EvaTRiP等)、ハビタットスケールではまだ課題が多いのではないかと考えています。本研究の検討段階でiRICによる計算を行った際、想定したような縦横断の流速の違いが見られずに、採用を断念した背景があります。ただし、自身が数値計算に慣れていないこともあり、精通した技術者がより適切な条件設定で計算を行えば十分な精度で計算できる可能性はあります。

  2. 白尾 豪宏 より:

    非常に興味深い発表をありがとうございました。シミュレーション結果から、回遊性カジカの遡上経路として礫底で流速のある場所を選択的に利用している状況が目に浮かびました。アクションカメラなどをしかけて、検証できるとさらに信頼性の高い情報になりそうです。

    1. 菅野 一輝 より:

      ご評価頂きありがとうございます。
      川幅が広く、少々濁りもあり(場所にもよりますが目測で20~60cm程度)、対象種も小さいため、映像に映すことは簡単ではありませんが、捉えることができた時に得られる生態情報(遡上時間帯、遡上時の遊泳状況、集団で遡上するか等)は、非常に貴重と思われます。本研究で算出された遡上適地に仕掛けることで捉える可能性を上げたり、コメントの通り実際に利用されているかの検証に使えると考えられます。