噴砂動態およびパイピング進展挙動に影響を及ぼす矢板の条件” に対して3件のコメントがあります。

  1. 謝 建明 より:

    論文のご投稿、ありがとうございます。
    実験内容と解析計算を含め、勉強させて頂きました。
    以下、いくつか疑問を感じコメントをいたしました。

    ・模型実験解析について、堤内側の矢板打設に関して、噴砂孔に向かって動水勾配が緩く、川表側の矢板打設と比較してパイピング破壊の危険性が下げられるとの結論です。しかし、この解析の前提は噴砂孔が存在し、かつ矢板付近での流速が速いと理解できる。そうなれば、矢板先端から噴砂孔に向かうパイピングが進行します。実際、模型実験ケース4とケース5もその現象が確認されます。
    ・堤内側の矢板打設では、堤体直下の圧力水頭上昇を引き起こし、堤体内の浸潤面の上昇への影響が考えられます。
    ・北川の実堤防解析について、動水勾配の算出位置は堤内側のり尻位置が最弱部であり、算出(評価)位置に違和感を感じました。堤内側に打設する矢板の効果確認という意味なら理解できます。

    1. 近藤 知輝 より:

      貴重なご意見ありがとうございます。
      以下にご意見に対する回答をいたします。

      ・模型実験の再現解析について、矢板先端の流れから堤内側に矢板を打設してもパイピングは進行するとのご指摘ですが、模型実験の結果も踏まえてパイピング孔が形成されても表法尻側に孔が進展することはないと考えております。その理由としては、矢板付近の流れは影響範囲が存在し、堤体下全体の土粒子の流出はしないと考えております。
      そのため、今後の展望として、矢板先端と土粒子が流出する可能性の高い層(砂等)との距離が重要であり、浸透流解析から限界流速を考慮し、矢板の貫入深さを設定できるようになるかと思います。

      ・堤内側に矢板を打設すると堤体下の圧力上昇を引き起こすことについては、ご指摘の通りです。今後の展望として、どのように圧を逃がすかが重要であり、堤内側に透水性鋼矢板を打つなどの方法が考えられ、今後検討してまいります。

      ・北川の実堤防解析での局所動水勾配の算出位置へのご指摘ですが、矢板の条件(打設位置、長さ)による対策効果を評価するため、最弱部である裏法尻としました。
      また、ご指摘の通り堤内側の矢板の影響が一番わかりやすい場所であるとも考えております。

      1. 謝 建明 より:

        ご回答ありがとうございます.

        ・矢板の貫入深さの設定が重要であることについて理解できました.
        この点から考えますと,堤外のり尻に打設する同規模の矢板は必然的にパイピング発生箇所との距離が確保でき,堤内のり尻に打設する矢板よりも 優位になると理解します。

        ・堤内側の矢板打設とあわせて堤内のり尻ドレーンの対策が有効ではないかと思います.
        透水性矢板による堤体下の水位低下効果は得られますが,それと同時にパイピング
        の効果低減は大きくなってしまいます.

        ・北川のパイピング算出地点について確認いたしました.
        ありがとうございます.

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