堤防の越流侵食における堤体材料および締固め度の影響について 2025年6月19日 最終更新日時 : 2025年6月19日 牧川 星朗 著者 前田拓人/京都大学大学院 牧川星朗/京都大学大学院 音田慎一郎/京都大学大学院 肥後陽介/京都大学大学院 説明資料 口頭発表_S2_2ダウンロード
河川財団の田島と申します
すみません、討議に参加できませんでしたので質問させていただきます
侵食に対して築堤の締固め度が有効に働くことは、容易に推察されますが、一方で締固め度が高いとシバ等の植生維持(活着)が困難になり、雑草が繁茂する可能性が高くなると考えます
このような相反性について、お考えがあればご教示ください
田島様
ご質問ありがとうございます.
本研究では,河川土工マニュアルに定められている適性範囲内の粒度分布において締固め度の影響を考察する観点から実験を行っており,植生維持については想定しておりません.そのため,実験条件がその生育条件を満たしているのかどうか詳しいことは存じかねますが,本実験において,比較的低めの締固め度(およそ90%)では,細粒分含有率が高い堤体材料は耐侵食性に優れている傾向がありました.
実際に作成された堤防の材料や堤体密度を確認し,植生維持のための最適な条件を考察したいと思いますので,もし何か情報をお持ちでしたら教えていただけますでしょうか.
ご回答いただき、ありがとうございます
堤体(材料)の耐侵食性とシバ等植生の生育の適正条件は相反関係あると考えます
そもそも一定の締固め度が要求される堤防に芝を育成させること自体が困難とも言えます
また、構造令では、侵食防止の観点からシバ等による被覆が原則となっていることを鑑みれば、耐侵食性とシバ育成にも着目した締固め度の適正値のような考え方ができないか?と考えた次第です
当方にも具体的な実堤防等の想定があるわけではありませんので、締固め度90%前後でのシバ育成への影響に対しての考察になるかと考えます
私自身、締固め条件下でのシバ育成に関する調査研究を知り得ていませんので、今後、いろいろと調べてみたいと考えております
よろしくお願いいたします