流下能力への樹木群の影響評価に資するUAVレーザ計測による三次元点群の活用手法の検討

著者

  • 末永遼/元 公益財団法人河川財団(現所属 株式会社ニュージェック)
  • 鈴木克尚/公益財団法人河川財団
  • 出口恭/株式会社ニュージェック
  • 天野邦彦/公益財団法人河川財団

説明資料

流下能力への樹木群の影響評価に資するUAVレーザ計測による三次元点群の活用手法の検討” に対して2件のコメントがあります。

  1. 柏田 仁 より:

    類似した取り組みを行っており,大変参考になりました.ありがとうございます.
    私自身は三次元点群データを三次元流動モデルに合理的に取り込む方法に取り組んでいますが,準二次元計算への反映法も極めて重要であると考えております.抵抗要素として粗度係数換算することそのものに異論はありませんが,樹木群が大規模水平渦の形成に与える影響も極めて重要であろうと考えます.すなわち,粗度係数のみならず,境界混合係数への影響評価も重要だと考えますが,なにか展望などあれば教えてください.

    1. 末永 遼 より:

      コメント頂きありがとうございます。

       既往研究では、複断面水路の抵抗を評価するために、樹木群と河道(水が普通に流れる部分)の境界や、複断面水路の低水路と高水敷の境界において、流速が有意に異なることから、これら境界における混合によるせんだん力を境界混合係数を導入して評価されています。また、複断面河道における低水路と高水敷の間の混合現象を実験により観察し、3次元的な大規模渦の発生を確認し、高水敷粗度係数が低水路に比べて大きい場合(樹木群が大きいに相当)に大規模平面渦の発生がみられることが示されています。そのため、ご指摘のように境界混合係数への影響評価も重要と考えます。
       論文の最後の方に述べておりますが、実際の洪水時の流速場や水面形状を測定すると共に、樹木群について今回の手法を用いて、その形状を評価することで、逆算した境界混合係数と樹木群の形状特性の関係について分析することが可能と思われますし、大規模平面渦の発生に関する分析にもつながることが期待できると考えております。
       樹木群が水没するような洪水時の流況観測は、機会も限られていますので、このような観測データが得られた場合には、樹木群の観測を行い、上記の様な分析ができると幸いであり、いろいろな方とも協力できると良いと考えています。

コメントは受け付けていません。