The symposium about river engineering, 2022

3次元河道設計ツールを用いた治水・環境の一体的検討の試行~雲出川直轄区間を例として~

著者

周 月霞1,吉武 央気1,東海林 太郎1,森下 祐1,小河 健一郎1,堀江 隆生2,関谷 雄大2,中村 洋平2,河野 誉仁3,林田 寿文3

1.パシフィックコンサルタンツ株式会社,2.国土交通省 中部地方整備局 三重河川国道事務所,3.国立研究開発法人土木研究所 水環境研究グループ 自然共生研究センター

説明資料

コメント (4)
  1. 内田 龍彦 より:

    ALBの詳細データと水理解析に基づく環境評価に関する貴重な研究成果と思います.環境評価を支える水理解析結果の妥当性を十分理解した上で検討を進めることが重要と思いますが,このような検討において水理解析に求められるものや課題とはどのようなものになりますでしょうか?また,小野江頭首工より上流側を助走区間と位置付けておりますが,本来助走区間で期待する流速分布が発達による誤差として考えられる値よりも大きいように思います.また,小野江頭首工より下流部もしばらく解析結果の方が誤差が大きいように思います.波瀬川など支川流入の影響は適切でしょうか?

    1. 周 月霞 より:

      コメントを頂き、ありがとうございます。
      ・水理解析に求められるものや課題については以下の2点と考えています。
      ①現況;魚類生息環境に影響を与える地形形状の設定
      ②将来予測;河床変動解析の精度向上、もしくは河床変動計算結果の信頼性評価手法の確立
      ①は、魚類生息環境に影響を与える地形形状が条件設定できないと、瀬淵分布や魚類生息環境の評価結果の再現性が低下します。
      現地取得したデータを水理解析モデルの地形高に補間して条件設定する際に現地を十分に反映できているかが重要です。
      ②についてです。まず、本手法を用いることで、河道改修事業等により地形が中長期的に変化した結果、将来的な環境場がどうなるかを予測したいと思っています。中長期的な地形がどう変化する可能性があるかということの予測を河床変動解析で評価できるのか、その計算結果が実際に起きりうる状況と比べて乖離はどの程度あるのか等に関する十分な研究が必要と認識しています。
      ・小野江頭首工より上流側を助走区間の水位について
      今回の検証は波瀬川合流後の流量を上流端に設定しました。
      そのため、ご指摘の通り、波瀬川合流点より上流区間の水位が高めに計算されました。

  2. 内田 龍彦 より:

    ご回答ありがとうございます.環境評価に関して水理解析の役割がよくわかりました.OS3の話にも関連すると思いますが,このような議論が双方の研究を進展させるのにつながると思います.境界条件についてもありがとうございます.すっきりしました.

  3. 福島 雅紀 より:

    治水と環境の一体的検討は重要なテーマと思います。以下の点を教えてください。
    今回の検討において、従来の200mピッチの測量成果では微地形を表現できず、瀬淵の変化や生息場の変化の評価精度に問題があることを述べられていますが、200mピッチの測量成果を航空写真等を参考にしながらメッシュデータを作成し、それを初期値として平面2次元河床変動計算を実施することと今回の結果は、その評価結果に大きな違いは生じるものでしょうか。また、内挿したメッシュデータで表現可能な現象、初期地形に3次元測量成果が必要な現象などは分っているでしょうか。よろしくお願いします。