The symposium about river engineering, 2022

奄美大島・役勝川で行った沖積砂礫河川の川(瀬・淵)づくりとその有効性

コメント (2)
  1. 松木 洋忠 より:

     2013年の施工後の河道変化を、2017年の出水後まで追跡調査された貴重な報告です。
     リュウキュウアユの産卵床となる浮石の場の確保がなされていることと、侵食、堆積を経ても河道断面が確保されていることを知りました。論文と説明資料を拝見して、設計の考え方として以下の設計が重要だと考えます。
    ① 水衝点の設定
    ② 連続水制工による河岸の保護(護岸から離れた位置に洪水時の澪筋(淵)を誘導)
    ③ 置石工による瀬肩形成の支援(瀬の高さを計画河床高に合わせたこと)
    淵の形成で洪水流を減勢し、瀬肩の形成で流水を分散して河道の二極化を防止していることから、当該区間と下流河道の治水機能が維持されているものと評価しています。読者となる河川管理者に、以上の3点を説明してもらえるとありがたいです。また、設計思想が施工に反映されなくてはならないという指摘は、河川管理者によく考えてもらいたい点だと思います。
     今後、他事例の河道変化の状況、設計時と想定と異なった場合の考察などを期待しています。ありがとうございました。

    1. 福留 康智 より:

      コメント頂き、ありがとうございます。
      ご指摘内容について説明できるよう心掛けます。特に重要と指摘のある①水衝点の考え方が、この点を間違えると水制の配置に大きくかかわるなかで、単純な堤防法線からの設定ではなく、河川の状況に応じた考え方をしなければならないと考えております。この役勝川では河床が平坦になっていたことと河道線形がわかりやすかったことから比較的読み取り易い現場であったのですが、実際に、読み違えて水制工が機能しきれなかった現場、想定通りの淵が創出できていない現場もあり、傾向を踏まえて整理し、また、それに合わせて設計した現場の状況も確認して、業務に取り組むとともに、論文としてご報告できればと考えております。
      貴重な意見をいただき、ありがとうございました。